競売・公売物件探訪記(in 松戸)④−2

〜公売④-2 松戸の中古マンションの入札額は?〜

コスモ松戸リバーサイド 7階 2LDK ④−2

1.松戸の公売マンションの評価額は?

さて、今回は、2回目ですから、「物件の分析」となります。

その物件の分析、査定と言われるものですが、これにはいくつかの方法があります。

各不動産会社ごとに、やり方は異なりますが、私たちの場合、中古マンションであれば、次の3つにポイントを置いています。

 ①物件騰落率

 ②成約事例、あるいは売出事例

 ③投資利回り評価

今回は、査定の内容をご説明するパターンではありませんので、初めに、“答えありき”のやり方を採りたいと思います。

まず、物件騰落率は、その物件の新築時時価から、現在、どの程度、物件の価値が下がっているのか、あるいは上がっているのかを判断します。

本物件の場合、1988年8月の新築時の販売価格は、¥2,970万円です。

ちなみに、このマンションは、お部屋のタイプが三つあります。

①67.54㎡・3LDKタイプは、新築時3,500万円台~4,300万円台、次に、②58.88㎡・3LDKが2,700万円台~3,300万円台となっています。③本物件の50.04㎡・2LDKタイプは、2,400万円~2,900万円台となっています。

最初に新築時の販売価格帯を把握したら、その次は、実際の販売事例です。

このマンションは、現在、売出事例がありません。

そこで過去の成約事例を探ります。

結果、次のようになります。

①平成12年~平成31年 11件1,200万円(?階・3DK・58.58㎡)~1,870万円(7階・3LDK・67.54㎡)
②令和元年~令和5年  2件1,230万円(2階・2LDK・50.04㎡)、1,870万円(7階・3LDK・67.54㎡)
合   計13件・最安値 1,200万円(?階・3DK・58.58㎡)
・最高値 1,870万円(7階・3LDK・67.54㎡)
・平均値 1,439 万円

そして、ネット上の査定をチェックします。

ネット上の査定情報には、「?」というのも多いですが、指針としては、有効だと思います。

サイト名は、公開しない方がいいと思います。

以下のようになっています。

① 67.54㎡タイプ3LDK2,100万円台~2,300万円台
② 58.88㎡タイプ3LDK1,800万円台~1,900万円台
③ 50.40㎡タイプ2LDK1,500万円台~1,600万円台

ネット査定の通例ですが、どうしても実際の成約事例に比べれば、評価が高めとなります。

本件でも、おおよそ各物件の評価は、200万円~300万円程、高めに設定されています。

それでは、私の評価基準です。

①物件騰落率50%~60%新築時価格と成約価格の比較校合から判断。
②利回り換算6%~8%賃料相場から月8.5万円で算定。利回りは築年数から算出。
③取引事例上記の成約事例とネット査定を援用成約事例とネット査定に価格面で差があることを考慮。

となりますと、本物件に特定して査定をしてみますと、

①物件騰落率新築時の価格 ¥2,970万円¥1,200万円~¥1,500万円
②利回り換算賃料8.5万円 年間収入102万円・表面利回り6% ⇒ ¥1,700万円
・表面利回り8% ⇒ ¥1,280万円
③取引事例ネット査定¥1,500万円~¥1,600万円成約事例¥1,200万円

以上がそのデータベースです。

【結 論】

現状有姿(リフォームせず)の場合なら、市場価格は、1,200~1,500万円と判断します。

(物件落札後、リフォームをして再販する場合については、ここでは想定しません)

1,200万円が、実際の成約事例で、他の部屋タイプ(67.54㎡、58.88㎡)の成約事例をみても、1,500万円以上の数字は難しいように思います。

賃料が8.5万円取れ、利回り換算が7%なら、1,457万円ですが、利回り7%でいけるかどうかは微妙なところです。

価格の上積みは、入札後、物件が取得出来てから、再構成をすればいいお話なので、入札価額を大前提に、安全策を取れば、

利回り6.5%、賃料8.5万円なら、1,569万円です。

より現実的に判断すれば、賃料が8万円しか取れない場合を考慮して、賃料8万円で、利回りが6.5%であれば、1,476万円です。

売却時は、上記のラインが市場価格の上限として、主軸となります。

下限は、実際の成約事例でもある1,200万円です。

よって、この価格差(1,200万円~1,500万円)が、販売戦略の基軸になると思います。

この市場価格を想定した上で、入札価額を決定していくこととなります。

入札価格のご案内につきましては、当欄3回目のブログ「松戸の公売マンション④-3 入札価格が決まる!」で公開させていただきます。

それでは、また。

良いお年をお迎えください。

この記事を書いた人

UCC株式会社 

宅建物取引士 伊藤 正行

アナログ主体の査定方法で頑張っています。

ネット査定は、瞬時に価格が判明して便利ですが、データ分析だけでは、逆に販売時の根拠が薄弱となります。

現地調査を前提にした評価分析を通じ、ご依頼される方に納得していただける査定を目指していきます。

趣味は、ロードバイクです。

遠隔地の査定ですと、自転車輪行で、現地の調査を済ませてしまうこともあります。

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3.査定と不動産のご相談

不動産は、物件の評価から始まります。

すでに、AIによる査定が盛行しています。

しかし、お客様とお話をしながら進める人の手になる査定に優るものはありません。

私たちは、「はい、この値段です!」とポンと投げかけるのではなく、なぜ、この価格になるのか、その理由づけを一番、大切にし、デジタルを排し、どこまでもアナログ査定に力を入れていきます。

その過程で合わせて、不動産そのものに関わるご相談も承っていければと思っています。

4.お礼付き物件、大募集!!

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